総理に3級漢字検定義務付けを

執筆者:2009年1月号

 内閣総理大臣が漢字を知らないということは、笑いごとで済むような話ではない。この国の日本語能力の低下の象徴であるとともに、国家指導者の人材がいかに不足しているかを如実に物語っている。「頻繁」を「はんざつ」、「踏襲」を「ふしゅう」、「未曾有」を「みぞゆう」としか読めない人物が、国家運営の最高責任者になるとは、この国のシステムはいったいどうなっているのか。こういう人物が教育の重要性を説いたり、愛国心について語ったりしているのかと思うと、腹立たしい。 おそらく間違って覚えている漢字は、まだまだたくさんあるはずだ。「ふしゅう」など何度も繰り返しているところをみると、思い込んでいるに違いない。過去の長い政治家生活の中で、だれもそのことに気がつかなかったのか。だれも間違いを指摘しなかったのか。市井の人にすぎないのなら、漢字が読めまいが何ができまいが構わないが、内閣総理大臣がそれでは国が滅びかねない。子供たちに勉強しろとはとてもいえない。 ひところ流行った「KY」は「空気が読めない」の略だったが、いまはそれに「漢字が読めない」「国民の気持ちがよくわからない」「経済がよくわからない」を足して若者の間では「KY4乗」などといわれているそうだ。昔も似たような政治家がいないわけではなかった。株式市場の「前場」を「まえば」と読んだり、「追加予算」を「おいかよさん」と言った政治家がいるという伝説もある。漢字の読みをノートに書いて勉強している政治家もいたらしい。

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