今回の研究調査は、香港で行われる「『一帯一路』香港サミット」に合わせた日程を組んだ。

新しさと古さが入り混じる香港(以下写真はすべて筆者撮影)
 

香港で開かれた「一帯一路サミット」

 そのサミットは、現在も継続するデモの中、2019年9月11日~12日に開催された。

 中国政府は、新たな経済圏の確立や関係各国間の相互理解の増進などを目的に、中国が形成を目指す経済・外交圏構想として、「一帯一路構想」を推進している。

 この構想を推進するため、中国政府は「一帯一路 国際協力サミット・フォーラム」を2017年と2019年に開催した。昨年は北京で4月25日~26日に開催され、各国の首脳および首脳級のリーダーが参加し、習近平国家主席も開会挨拶をしている。

「『一帯一路』サミット」は、北京のサミットのスピンオフ的存在であり、香港特別行政区政府および香港貿易発展局が共催し、各国の関連部局の部長か部長級代表、それに商業界の代表が参加する。今年で4回目である。

(上左右)「一帯一路サミット」の入り口付近と展示場(下左)林鄭月娥(キャリー・ラム)香港特別行政府長官のスピーチ(右下)若手起業家のセッション
 

 今回は、主催者発表によれば、世界69カ国から約 5000名の政府高官・行政官、企業家・起業家、メディア関係者、専門家が参加したという。デモの影響も考えられたが、会場内には多くの参加者がおり、予想したよりも盛況であった。

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