見せかけだけの「偽装留学生」対策(上)

執筆者:出井康博2020年2月20日
在ベトナム日本国大使館HP。日本留学に関する情報をベトナム語でも提供してはいるが……責任は重い
 

〈偽装留学仲介で処分 外務省 ベトナムの90社〉

 そんな見出しの記事が、『読売新聞』2020年1月20日の朝刊社会面に載った。

 ベトナムは、出稼ぎ目的の留学生を最も多く送り出してきた国だ。ベトナム人留学生は2019年6月末時点で8万2266人に達し、2012年末と比べて9倍以上にも増えている。こうして近年急増したベトナム人の多くは出稼ぎ目的で、多額の借金を背負い来日する「偽装留学生」と見て間違いない。

「偽装留学生」は斡旋業者を通じ、日本の留学ビザを申請する。しかし、ビザ取得の条件となる経済力がない。そのため業者に書類を捏造してもらう必要が生じるのだ。

 外務省は在ベトナム日本大使館を通じ、現地の斡旋業者に対する監視を強めている。「悪質」な業者とみなされれば、ビザの代理申請を一定期間認めない。その処分を受けたベトナムの斡旋業者が、これまで90社に上っているというのだ。

 記事では、

〈就労目的の「偽装留学生」の増加や不法滞在に歯止めをかけるのが狙い〉

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