2月29日、新型肺炎対策の緊急記者会見で頭を下げる安倍首相 (C)時事

 

 安倍晋三首相は2月29日の夕方、緊急の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府の取り組みなどを説明した。

 2月27日夕に、全国の小中高校に対して3月2日から春休みまで臨時休校するよう要請したことについて、

 「何よりも子供たちの健康、安全を第一に、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まる、そして、同じ空間を共にすることによる感染リスクに備えなければならない」

 とし、国民に理解を求めた。

起死回生を狙った会見

 学校の一斉休校については、安倍内閣に批判的なメディアや野党から批判の声が上がっている。休校することによる働く保護者の負担急増や、経済的な損失が指摘され、文部科学省などの慎重論を退けて「政治決断」した安倍首相が「強権発動」したからだ。

 しかしむしろ、批判の集中砲火を見越したうえでの、起死回生を狙った会見だったとみていい。

 というのも、「桜を見る会」の問題に加え、黒川弘務・東京高等検察庁検事長の、法令解釈を変更しての定年延長問題が、ジワジワと安倍政権を追い詰めていた。

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