国会では「躊躇なく緩和」と答弁していたが(2月4日、衆院予算委員会にて)(C)時事
 

 成す術もなく、金融政策の“現状維持”を続けているだけで、完全な手詰まり状態に陥っていた日本銀行に、不謹慎なたとえではあるが、「新型コロナウイルス」という“神風”が吹いた。

 この新型コロナによる「新型肺炎」での死亡者は国内でも世界でも増加が続いており、中国を中心に生産活動の大幅低下や、サプライチェーンの混乱が続いている。

 世界経済悪化の懸念に対して、3月3日にはG7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁が緊急電話会議を開催し、新型コロナの感染拡大に伴う景気下振れリスクに対応すべく「あらゆる適切な政策手段を用いる」とする共同声明を発表した。

 そして呼応するように同日、FRB(米連邦準備制度理事会)は臨時FOMC(米連邦公開市場委員会)を開き、0.5%の利下げに踏み切った。3月17、18日に開催予定だった定例のFOMCを敢えて前倒ししての決断だ。

 それだけに、ここにきて俄然、日銀の金融政策に注目が集まっている。

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