イラン司令官殺害は「戦争の霧」という「大統領選」の「闇」
2020年3月9日
「戦争の霧」(Fog of War)とは、不確かな情報を基に軍司令官が短時間で決断を迫られ、誤った攻撃を始める落し穴にはまる戦争の実相を表現したものだ。
ドナルド・トランプ米大統領はこの「戦争の霧」に陥ったのか、それとも「霧」を口実にうまく目的を成し遂げたのか。そんな思いを抱かせる情報が飛び込んできた。
1月3日のイラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官殺害攻撃は、米国とイランが戦争に突入するのではないか、と世界を震撼させたことは記憶に新しい。
だが、その発端となった昨年12月27日のイラクにある米軍駐留基地への攻撃を行ったのは、米国が断定するイラン系シーア派組織「カタイブ・ヒズボラ」(KH)ではなく、イランと敵対するスンニ派過激派組織「イスラム国」(IS)だった可能性がここにきて浮上しているというのだ。
そんなことがあるのか、と驚かざるを得ない。米国は「敵」を間違え、報復したというのか。
キルクークにイラン系は足を踏み入れない
時系列で見てみよう。
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