昨年11月28日、アフガニスタンを電撃訪問したトランプ大統領(左)。ガニ・アフガニスタン大統領(右)と会談し、タリバンとの和平交渉再開を明言したのだが (C)AFP=時事
 

 現在の「新型コロナウイルス」の世界的広がりの中で、イランが、世界で3番目に多い1万5000人近い感染者数を出している(3月17日現在)。

 そこで戦々恐々としている国の1つが、イランと長い国境線を共有する隣国のアフガニスタンだろう。本来であれば、あらゆる措置が講じられていなければならない状況にあるが、現在のアフガニスタンにはそのような余裕がない。

 平時から、医療制度が貧弱なままであることは言うまでもない。しかも現状の混乱を見ると、効果的な対応をとるのは、さらに難しいだろうと考えざるを得ない。ひとたび感染が広がれば、大変な事態になる。アフガニスタンにさらなる複合的な危機が訪れ、それによって世界的危機もいっそう深まっていったりしないことを祈るのみである。

 2001年のアメリカにおける9・11テロは、世界情勢を一変させた。アメリカによるアフガニスタン侵攻は、当時国土の9割を実効支配していた「タリバン」政権を崩壊させた。

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