目が離せない「地域大国」パキスタン

執筆者:北岡伸一2020年3月30日
イムラン・カーン首相(中央左)と面談する筆者(中央右)(パキスタン政府提供)

 

 2月にパキスタンを訪れた。前回は1995年で、25年ぶりの再訪だった。1995年は、阪神淡路大震災(1月17日)とオウムサリン事件(3月20日)が起こった年で、オウムサリン事件の直後に行ったように記憶する。

 パキスタンは東にインド、北に中国、北西にアフガニスタン、西にイランに囲まれている。 

出典:国際連合DFS作成の地図にJICAが加工。 なお、地図上の領土、国境等に関しては、JICAとしての公的な見解を示すものではない

 面積は日本のほぼ2倍、人口は2億人を超える。2050年には3億4000万人に達し、インド、中国、アメリカに次ぐ世界第4位になると予想されている(第4位はナイジェリアという予測もある)。

 これほどの人口の国がどういう国になるかは、世界の将来に大きな影響があるだろう。カシミール問題をめぐるインドとの対立、中国との結びつき、アフガニスタンとの関係、いずれも大問題であって、目が離せない国なのである。

 パキスタンの1人当たりの国民所得は1590ドル(2018年)で、最近、バングラデシュ(1749ドル、同)に抜かれたらしい。

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