この人がついているおかげで支持率も急上昇したことが不満なのか(ファウチ所長)(C)EPA=時事
 

 3月30日の時点で、アメリカの新型コロナウイルス(新型コロナ)感染者数は、中国やイタリアを抜き世界最多の16万4000人を超え、死者も3170人以上となった。

 なかでもニューヨーク州では、感染者数6万7300人以上、死者965人以上に上り、ロックダウンという都市閉鎖措置の一歩手前の厳しい外出制限をとっているが、感染拡大は止まらない。

 すでに多くのメディアで、ドナルド・トランプ大統領が、新型コロナを過小評価したため、特に感染拡大防止に重要である検査キットの準備が大幅に遅れたことで現在の感染拡大を招いたことの過程について、政権の内部事情を含めた検証記事が書かれている。これまで同様、おそらく事態を懸念した内部告発者とメディアの取材が、トランプ政権内部の多くの問題を外部にリークしたと思われる。

 これらの記事はトランプ大統領を苛立たせ、さらなる混乱をもたらしている。

 しかしそれでも、世界に新型コロナ感染をもたらしながら、その初期対応や原因の究明がブラックボックスのままの中国と比べると、まだはるかに透明性があるとも言える。しかも、そうした厳しい批判ゆえに、トランプ大統領も新型コロナ対策に真剣に向き合わざるを得なくなっているのが現状だ。

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