4月10日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴う休業要請の詳細を発表した小池百合子東京都知事。「スピード感が重要」と話していたが、国との歩調は合っていない (C)時事

 

 新型コロナウイルスの蔓延が日本経済に甚大な影響を及ぼし始めた。4月7日に政府が7都府県に「緊急事態宣言」を出したことで、店舗などの休業が相次ぎ、経済活動が急激に縮小し、経営規模の小さい飲食店や小売店、サービス業などが深刻な経営危機に陥っている。

止むに止まれぬ選択

 こうした中小零細企業、個人事業の最大の問題は4月末の資金繰りだ。仕入れなどの支払いのほか、従業員の人件費や家賃などの支払いが迫る。

 東京都内でタクシー事業を展開する「ロイヤルリムジン」が、緊急事態宣言が出た翌日の4月8日に、ほぼ全従業員にあたる約600人を解雇することを発表、世の中に衝撃が走った。

 「解雇して雇用保険の失業給付を受ける方が、従業員にとってメリットが大きいと判断した」

 というのが解雇理由で、会社としては止むに止まれぬ選択だったということだろう。新型コロナの国内感染が発覚した初期に、タクシー運転手の罹患が報じられたこともあり、タクシー利用者が激減していることが背景にある。

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