いまや事実上の、金正恩党委員長のナンバー2といえる金与正党第1副部長(前列右=昨年6月、板門店にて)[韓国統一省提供](C)時事

 

 4月11日開催の党政治局会議で決定された人事で最も注目されるのは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長を、党政治局員候補に選出したことだ。

一度は党政治局員候補を「解任」

 金与正氏は、2017年10月の党中央委員会第7期第2回総会で党政治局員候補に選出されており、今回、再び党政治局委員候補に選出されたということは、その前に党政治局員候補を解任されていたことを意味する。

 おそらくは、昨年2月のハノイでの米朝首脳会談が決裂に終わったことで、その責任を取って党政治局員候補を解任されていたのだろう。

 昨年4月の党中央委第7期第4回総会終了後に金党委員長が党政治局員、党政治局員候補と撮った記念写真に、金与正氏の姿はなかった。

 金与正氏は幹部が亡くなった際の国家葬儀委員会の名簿に名前を出さないなど、最高指導者の妹だけに特殊な扱いを受ける場合が多く、当時はこの写真に姿がないことが党政治局員候補解任を示すものとする見方はほとんどなかったが、実は解任されていたことが分かったわけだ。

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