3月20日、砲撃対抗競技を視察する金正恩党委員長。周囲の軍人たちもマスクをしていない[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は昨年末の党中央委員会総会で、

「今日の正面突破戦での基本の戦線は経済部門だ」

 だと言い切った。しかし、今年に入っての金党委員長の活動は経済分野ではなく、軍事分野に集中している。

活動は軍に集中

 金党委員長の今年最初の現地指導は、1月7日報道の順川リン酸肥料工場で、これをスタートに経済分野での現地指導が続くのかとみられた。

 しかし、1月下旬から「新型コロナウイルス」問題が発生し、金党委員長の対外活動はかなり制約的になった。

 ただ、新型コロナ対応がかなり成果を上げたと判断したのか、金党委員長は2月28日に朝鮮人民軍の合同打撃訓練を現地指導した。米韓両国が新型コロナのために、3月から始める予定だった米韓合同軍事訓練を事実上中止することを決めた(2月27日)直後の視察だった。

 北朝鮮軍は軍種ごとの訓練を終えた後に合同打撃訓練を行うが、今回は冬季訓練の中間総括的な訓練とみられた。

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