【再録・国際政治チャンネル】2020年 石油価格戦争(中)

「減産協議決裂」の裏にあった「もう1つの事件」

執筆者:2020年5月5日
激動だった第1四半期の原油市場(「国際政治チャンネル」より)
 

【編集部より】以下は、4月18日に配信されたインターネット番組『国際政治チャンネル』の鼎談を特別に再録した(上)の続きである。

 

池内 今年の第1四半期に起きた石油市場に関する大きな変化を一覧で出していただきました。

 

岩瀬 原油価格が下落し、コロナによる需要懸念が出てきたのが1月末でした。

 新型コロナは2月末くらいまでは主に中国の問題でしたが、中国の経済がどうなるこうなる、それで世界経済への影響もある程度出てくるだろうという中で、今年の石油消費量の伸びが当初の100万BD(バレル/日、以下同)から50万BDに下がるかもしれない、という議論がされていた。

 そうすると、100万BD伸びることを前提とした供給量の増加見込みが高かったので、50万BDでも消費量が減ると大変だぞ、と価格が下がり始めていた。

 そして、まさか3月に入って欧米であんなことになるなんて誰も想像していないうちに2月が過ぎ、3月6日の「OPEC(石油輸出国機構)プラス会合」(オーストリア・ウィーン)を迎えた。

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