【再録・国際政治チャンネル】2020年 石油価格戦争(下)

「サウジ一強」「シェール半減」の「ポスト・コロナ」シナリオ

執筆者:2020年5月6日
時折、鼎談テーマの主要人物の画像も挟み込んで(『国際政治チャンネル』画面より)
 

【編集部より】以下は、4月18日に配信されたインターネット番組『国際政治チャンネル』の鼎談を特別に再録した(上)(中)の続きである。

 

池内 次の論点は、サウジのやっていることが、ムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)皇太子の掲げてきた改革に反するのではないかという岩瀬さんの指摘です。

 MBSの改革は大きく2点あって、1つは石油依存の脱却。もう1つが、そのために国を開き、観光産業などを盛んにするというもの。

 私自身は、そもそもサウジの改革プランは本気ではないと思っています。

 結局、サウジにとって一番重要なのは、次の国王がデカい顔をできることなのではないか、と。そう考えると、今の政策は合理的ではある。

 というのも、サウジは今、石油価格を下げてロシアや米シェールなどの競争相手を蹴落としています。同時に石油とは別の代替エネルギーも蹴落としている。これだけ石油が安くなると、代替エネルギーの開発資金も出なくなるし、既に開発してある高コストの代替エネルギーも使いにくくなる。

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