中国の新戦略「大湾区構想」が受けた「新型コロナ」の衝撃(下)
2020年5月13日

復帰しつつある深圳市華強電子街(写真提供:Find Asia、以下同)
大湾区は2030年をめどに、「知識集約型産業への転換」「高付加価値サービス産業・内需経済への切り替え」を目指している。
つまり大湾区は、競争力のある産業と知識集約型産業への転換を大目的にしているということだ。
その実現には「イノベーション」の役割が重要であり、大湾区は、中国におけるイノベーションの中心地の1つになることを位置付けられているといえる。
そこで、イノベーションの中心地という大湾区の立ち位置や、「新型コロナウイルス」騒動でそれがどのような変化を遂げていくのかについて検討してみたい。
イノベーションへの影響
大湾区におけるイノベーションには、これまでに培われてきた地域的な様々な蓄積やインフラ・仕組みが存在している。
それは、優秀な人材を教育・輩出する香港や広州の多種多様の教育機関、製品を実装化・量産化するサプライチェーンを支える無数の中小企業、起業へ向けてのノウハウを提供する先端企業群、優遇政策をとる行政府などだ。
まず教育機関についてみていこう。
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