オンライン申請しても職員はプリントアウトして手作業で確認という陳腐な「デジタル化」(C)時事
 

 今次の新型コロナウイルスの感染拡大。日本にとっては、第1次世界大戦末のスペイン風邪以来、100年ぶりに見舞われたパンデミック(世界的大流行)である。

 が、各国政府が自国民の救済に知恵を絞り、次々と施策を打ち出す中、日本政府のスピード感の欠如が国民を苛立たせている。

 感染防止の自衛グッズとして需要が急増したマスクは3カ月以上も店頭から姿を消し、装備が必須の医療従事者の下にさえ、十分に行き渡らなかった。個人や中小事業者を救済する給付金も窓口の自治体や担当官庁の段階で目詰まりを起こし、必要とするキャッシュが届かないことに悲鳴や怨嗟の声が上がっている。

 原因の大半は行政のデジタル化の遅れにあるといっても過言ではない。

 海外メディアでは、厚生労働省が全国の自治体から集まる日々のPCR検査の件数と結果の一部をファックスで集計していることなどを指し、

「“IT(情報技術)後進国”としての日本の弱点がそのまま露出している」(韓国『中央日報』)などと報じている。

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