【特別対談】「制裁外交」から見える「盟主」アメリカの揺らぎ(上)
2020年6月27日

2019年6月、イランに対して追加の経済制裁を科すトランプ大統領(中央)(C)AFP=時事
杉田弘毅さん(共同通信社特別編集委員)の最新刊『アメリカの制裁外交』(岩波新書、2月刊)が話題を呼んでいる。トランプ政権になって乱発される「経済制裁」は本当の実効性、「武力制裁」と比べての人道性、そしてアメリカ自身に落とす影について縦横に論じた快著だ。
「新型コロナウイルス」の感染拡大にブレーキがかからず、さらに人種問題で揺れるアメリカ。それでも「制裁カード」を手放さないアメリカは、そしてこの国を「盟主」とする国際秩序は今後どうなっていくのか――。
いまもっとも問われているこのテーマについて、国際関係論や外交史、アメリカ研究が専門の三牧聖子さん(高崎経済大学准教授)と「Zoom」でじっくりと語り合っていただいた重厚な対談を、3回にわたってお届けする。
三牧聖子:感染が拡大する「新型コロナウイルス」(COVID-19)。中でもアメリカは世界最大の感染国になっています。国内でもアメリカの構造的な人種差別への抗議デモがいよいよ広がっており、ちょうどアメリカの弱さとか不安定さが表れているタイミングで、今回お話しさせていただくことになりました。
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