1961年、ケネディ大統領の就任演説には、さまざまな「アメリカン・ドリーム」が詰まっていたのだが (C)AFP=時事
 

 杉田弘毅さん(共同通信社特別編集委員)の著書『アメリカの制裁外交』(岩波新書、2月刊)を題材に、国際関係論や外交史、アメリカ研究が専門の三牧聖子さん(高崎経済大学准教授)との白熱した「Zoom」対談。その舌鋒は、アメリカという国家の本質にまで鋭く斬り込んでいく。その第2回――。

 

三牧聖子:ドナルド・トランプ政権は、意識してバラク・オバマ前政権との差異を強調してきました。

 確かにイランへの対応に関しては、多国間の解決を図ろうとしたオバマ政権に対し、トランプ政権は違う方向に舵を切った。対照的です。しかしより巨視的に、制裁外交というレンズを通して見ると、両者の連続性も見える。オバマ前大統領はシリア内戦への対応を問われて、米国は「世界の警察官ではない」と明言しましたが、それは世界に介入しないという宣言ではなく、経済制裁という形では介入し続けていた。

実は連続している「オバマ」「トランプ」

 

三牧:オバマ前大統領は「ドローン・プレジデント」と呼ばれたほど、ドローンや経済制裁など、米兵を命の危険にさらさない方法をうまく使った大統領です。こうした面において、トランプ政権とオバマ政権は、断絶よりむしろ連続している。

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