6月25日、株主総会後の記者会見に臨む関西電力の森本孝社長(右)(C)時事
 

「関西電力」のトップを含む幹部75人が、同社高浜原子力発電所(福井県)のお膝元・高浜町の元助役から約30年にわたり金品を受け取っていた前代未聞のスキャンダルが明るみに出て9カ月余り。

 6月25日の株主総会で、同社は指名委員会等設置会社への移行など一連の改革による体制の立て直しをアピールしたが、株主や顧客などステークホルダー(利害関係者)はこぞって不信の眼を向け続けている。

 同じ土壌で育った生え抜きの首脳陣が実権を握っている限り、役員のクビをすげ替えても経営風土は変わらない。次々にメニュー化される金品受領の再発防止策や業務改善の取り組みは、はっきり言って時間の無駄。そのことに誰もが気づいているが、変えられない。この会社と業界の病巣はそこに潜んでいる。

株主を封じ込めた「株主総会」

 今年の株主総会は“大荒れ”とはならず、波乱なく幕を閉じた。というのも、関電は「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ」との大義名分で、徹底した“封じ込め”を行ったからだ。

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