コロナ禍における「4つのチャレンジ」(上)

執筆者:北岡伸一2020年7月11日
ブラジル向けにオンラインで日本語教育を続ける一時帰国中の協力隊員(JICA提供、以下同)

 

 国際協力機構(JICA)の活動は、海外と日本を頻繁に往復することが基本である。それができなくなったのは、大きな打撃である。

 その中でJICAが何をしているか、紹介してみたい。

3月から始めたコロナ対応

 JICAの「新型コロナウイルス」に関する当初の対応は、他の政府関係機関とほぼ同じで、JICA主催のイベントや会議の中止(2月19日)、時差出勤・在宅勤務の積極的・弾力的活用の開始(2月21日)、国内・海外出張の原則延期(2月28日)などであった。

 外国においても、JICAの初動はあまり早くはなかった。日本でもマスクや防護服が不足するなかで、外国に供給することは難しかった。それに、アフリカなどでは感染の拡大は遅かった。

 JICAの本格的なコロナ対応は、日本のそれと同じで、3月から始まった。

 まず、3月末から予定していたJICA海外協力隊(青年海外協力隊、シニア海外協力隊、日系社会青年海外協力隊、日系社会シニア海外協力隊の4種類がある)の派遣延期を決定した。

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