新NAFTA協定の発効にあわせてホワイトハウスを訪れたロペスオブラドール大統領(C)AFP=時事

 

 6月に出された国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」(WEO)によれば、2020年の中南米のGDP成長率はマイナス9.4%。破綻したベネズエラを除いてもマイナス9.2%で、新興市場と途上国地域(平均マイナス3.0%)中でも中南米地域の経済収縮が突出しており、新型コロナ禍による経済的衝撃の深刻度が窺われるというものである。

 特に、「資源ブーム」が終焉した2014年から地域が直面した経済後退に追い打ちをかけるようなコロナショックであることは、当サイトでも累次報告してきたところである。

「100年に1度の危機」

 さらに深刻なのは、中南米の過去をより俯瞰すれば、長期の「停滞」の後に到来した100年に1度の危機であるという点だ。

「ラテンアメリカ開発公社」(CAF=中南米のインフラ向け融資・出資を行う国際開発銀行)は今年6月、「アンデス開発公社」として活動を始めて50年の節目に当たり、記念のシンポジウムをライブストリーミングで開催した。

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