EU首脳会議が始まった7月17日はドイツのメルケル(右)、ポルトガルのコスタ両首相の誕生日だった。コスタ首相がメルケル首相に贈ったプレゼントの中身は…… (C)AFP=時事

 

 来年退任が決まっているドイツのアンゲラ・メルケル首相にとって、7月の欧州連合(EU)首脳会議で議長として復興基金の創設にこぎつけたことは、首相在任中に成し遂げた最高の成果の1つに数えられることになるだろう。同首相は「ドイツ主義者としてではなく、欧州主義者として働いた」との評価を確定したと言ってもいい。

復興基金の創設が最大の議題

 7月17日からのEU首脳会議には、加盟27カ国首脳と、EU執行部側からベルギーのシャルル・ミシェルEU大統領、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長の計29人が出席した。最後に対面で首脳会議が持たれたのは2月だったから、5カ月ぶりに一堂に会したことになる。

 コロナ禍の最中、EU首脳会議はテレビを通じて行われてきた。しかし、今回の首脳会議が対面で行われることになったのは、1つには半年ごとの輪番のEU議長国に、7月1日からドイツがなり、メルケル首相が議長として指揮をとることになったからだ。これを節目として欧州世論に対し、「EUは新たなフェーズにページをめくった」とのメッセージになると首脳らが考えこともある。

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