出生数を増加に転じるには、政府として抜本的な改革が求められる(写真はイメージです)

 

 新しい首相に就いた菅義偉氏は、自民党総裁選の最中から「不妊治療の保険適用」を政策の柱の1つとして打ち出した。

 9月27日に公明党大会に出席した際もあいさつで、不妊治療への保険適用について、

 「公明党から強い要請を受けていた。できるだけ早く適用できるようにしたい。それまでの間は助成金を思い切って拡大したい」

 と繰り返し、少子化対策に本腰を入れる姿勢を見せた。

 これは、「デジタル庁創設」や「携帯電話料金の引き下げ」などとともに、菅首相流の「一点突破型」の政策提示といえる。「女性活躍促進」「1億総活躍」といった「掛け声型」の安倍晋三前首相とは、180度スタイルが違うものの、多くの国民が求める具体策を提示したからか、発足時の内閣支持率は極めて高い。

「86万ショック」

 菅首相は目指す国家像などをなかなか語らないが、少子化が日本社会を根底から揺るがす深刻な事態を引き起こそうとしていることに危機感を抱いているのだろう。

 「『86万ショック』と呼ぶべき状況」――。

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