OPECのHPでも『年次世界石油展望2020版』を公開している
 

 9月29日に開催した「新潮社Foresightウェブ化10周年記念大鼎談」の場で筆者は、本年5月以降の「OPEC」(石油輸出国機構)の協調減産の実態を分析し、各国の「遵守度」がバラバラであることをご紹介した(2020年10月5日『【オンラインセミナー】「2020年石油価格戦争」と「アルメニア・アゼルバイジャン紛争」(1)』)。

 その上で次のように述べている。

〈OPECの憲章には罰則規定がありません。強制的に守らせる規定がない紳士協定です。これが果たして今のような状況の中で機能するのかというのが、疑問に思っている点です〉

 読み返してみて、「今のような状況」について、いささか説明不足だったと感じている。

 このコメントの背景には、次のような認識がある。すなわち、

■「新型コロナウイルス」パンデミックが「需要ピーク」の到来を前倒しした。

■「BP」は2050年までの長期予測で3つのシナリオを示し、「ラピッド(急速進展)シナリオ」および「ネット・ゼロ・シナリオ」では、2019年がピークだったとしているほどだ。

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