なぜ今、公務員制度改革を貫徹すべきなのか。それを妨げようとするのは、どんな勢力か――。行政改革の論客二人が、問題の核心を射抜く。司会 安河内龍太(本誌編集部)――公務員制度改革や官僚の天下り、官僚OBの渡りなどが大きな国政上の問題となっています。まずお二人がなぜ行政改革にかかわるようになったのか、聞かせてください。屋山 私は、一九八〇年代の土光臨調のとき以来です。土光敏夫元経団連会長をトップとする第二次臨時行政調査会の最重要課題は、当時二兆円の赤字を垂れ流していた国鉄という国営企業体を分割民営化すること。結果的にこれを実現したことで、国鉄の赤字はなくなり、国税三千億円、地方税で四千億円が入ってくるようになった。国民にとっては差し引き二兆七千億円の利益です。そしてその過程で、国鉄にいかに多くの政治家がぶら下がっていて、官僚たちが自分の省の利益のために権限をいかに手放さないかということが本当によく見えた。 その後も行革にはさまざまな形でかかわりました。しかし、官僚たちはそのたびに「改革します」というのだけれども、実際には直したふりをするだけ。たとえば、特殊法人改革では、ある特殊法人を潰すと、また別のものができる。ひどいときには、新しいのが二つできたりする。もぐら叩きみたいなものなんです。

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