バイデン次期大統領は、米国の朝鮮半島政策を大きく変える可能性が (C)AFP=時事

 

 米大統領選挙は大接戦の末、民主党のジョー・バイデン候補が11月7日(日本時間8日)、勝利宣言を行い、当選を確実にした。ドナルド・トランプ大統領は開票の中止や票の無効を訴えているが、不正の具体的な根拠はなく、バイデン勝利は動かないだろう。

 一方、国際社会の中で、自国の運命を決める選挙のように緊張して見つめていたのは、韓国と北朝鮮だろう。米大統領選挙の帰趨が、朝鮮半島情勢に直接的な影響を与えるからだ。

 バイデン次期政権は内外政策で協調と和解の方向を目指すことになるだろうが、朝鮮半島では北朝鮮との対立が激化する可能性がある。韓国も北朝鮮も、バイデン新政権誕生で新たな生存戦略を求められている。

「沈黙」してきた北朝鮮

 おそらく、世界の中で、最もトランプ大統領の再選を願っていた国は北朝鮮であろう。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、今年7月10日に出した対米関係についての談話を、

「(金正恩)委員長同志は、トランプ大統領の活動で必ずよい成果があることを祈願するとの自身のあいさつを伝えるようにと述べた」

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