2011年3月、ロシアを訪問した際のバイデン副大統領とプーチン首相(いずれも当時)。大統領同士として相まみえるのはいつになるのか (C)AFP=時事

 

 米大統領選で民主党のジョー・バイデン候補が勝利したことで、ロシアは新政権が反露政策を展開することを警戒している。バイデン氏はかつて、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持し、ウラジーミル・プーチン露大統領に「引退」を促し、旧ソ連諸国の民主化を支援した過去があるためだ。ドナルド・トランプ米大統領は人権や民主主義に無関心で、米社会の分断や同盟諸国との亀裂を深めただけに、ロシアがトランプ再選を望んだのは間違いない。

 ただし、バイデン政権の方がトランプ政権より予測可能で、軍備管理分野などで安定した交渉が可能になる。さしあたり、来年2月5日に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)の取り扱いが焦点だ。

46回の対露制裁

 4年前の米大統領選でトランプ氏が当選した時、ロシアは歓喜に包まれた。下院では「全議員が立ち上がり、嵐のような拍手」(『モスクワ・タイムズ』)が起きた。プーチン大統領は真っ先に祝電を送り、

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