母インド出身「ハリス副大統領」で印米関係むしろ「緊張」

米大統領選での勝利はインドでも祝福された（C)AFP＝時事

　史上まれにみる「後味の悪さ」が残った米大統領選だったが、どうやら「ジョー・バイデン勝利」で世の中が動き始めたようだ。

　思い起こせば4年前、あれよ、あれよという間に大統領に上り詰めたドナルド・トランプ氏。政治経験が皆無で、過去の発言がまったく参考にならない人物の登場だっただけに、インドウォッチャーとしても印米関係の分析には苦労した記憶がある。

　一方、バイデン氏は上院外交委員長や副大統領の要職を務めたベテラン政治家だけに、判断材料は多いかもしれないが、「人権」を掲げ、インドにルーツを持つカマラ・ハリス次期副大統領は、インドに厳しい態度を取る可能性もある。

　バイデン・ハリスコンビで対インド外交はどうなるのか。そう単純なものではなさそうだが、ここでいろいろ予想してみたい。

「インドは重要なパートナー」

　バイデン氏が、こと軍事や安全保障に関して、インドをかなり重視しているのは間違いない。上院議員時代の2001年8月には、1998年の核実験強行によって米欧諸国などから科された対印経済制裁を早期に解除するよう、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領に書簡を送っている。

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