ダ・ヴィンチの「救世主」が約510億円で落札される瞬間。この幻の名画はいまどこに――。
 

 レオナルド・ダ・ヴィンチの「幻の名画」と称された「サルバトール・ムンディ(救世主)」が、ニューヨークの「クリスティーズ」でオークション史上最高の4億5000万ドルで落札されてから早くも3年余が経過した。

 オークション時の動画を見ると「4億ドルで落札」となっている。どのような交渉がなされて4億5000万ドルになったのか、筆者は知らない。だが、各種報道では、落札価格は4億5000万ドルとされている。

 いずれにせよ「巨額」である。

 世の中にはとんでもない金持ちがいるものだ。

 オークションから日を経ずして、サウジアラビア(サウジ)の文化大臣バドル・ビン・ファルハン王子が落札者と分かり、おそらくムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)皇太子の代理として落札したのだろう、と報じられていた。

 ところが2017年12月9日、UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ文化観光局が、前月に新規オープンした仏ルーブル美術館の海外別館「ルーブル・アブダビ」に展示するために入手した、と発表した。

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