中間決算について記者会見する日本郵政の増田寛也社長。赤字転落で「郵便局」はどうなるのか…… (C)時事

 

 「郵便局は国営に戻さないと維持できない」

 最近、そんな声を永田町で耳にすることが増えた。「日本郵政」の増田寛也社長が有力国会議員などを回り、「窮状」を訴えていることが背景にある。

 日本郵政が11月13日に発表した9月中間期の連結決算では純利益が1789億円と24.4%減り、子会社で郵便事業を営む「日本郵便」の純損益は65億円の赤字となった。中間期で赤字に転落するのは3年ぶりのことだ。新型コロナウイルスの蔓延で、「アマゾン」など宅配サービスが大きく伸びた中で、日本郵便は赤字に転落したのだ。

金融収益の大幅減

 日本郵便には全国一律のサービスを提供する「ユニバーサルサービス」が義務付けられており、これを受けて「郵便局」が全国各地に配置されている。2020年10月末時点で、その数は2万3823局に及ぶ。集配郵便局エリアの8割が赤字で、黒字エリアは2割に過ぎず、窓口業務も4割が赤字とされる。郵便局網の維持費として、日本郵政の銀行子会社である「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命保険」が、「業務手数料」や「拠出金」の形で毎年1兆円を負担し支えてきた。

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