2011年、ジブチに開設した自衛隊初の海外活動拠点[防衛省提供](C)時事

 

 11月中旬、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がスーダンに事実上の「物資・兵站」軍事基地を開設する合意文書に許可を出したというニュースが、各メディアで報じられた。25年リースで更新可能の合意にもとづいて、約300人のロシア軍人関係者が駐留する予定である。4隻までの軍艦を寄港させることができ、原子力潜水艦などの寄港も可能だとされる。

ロシアが開設するスーダン軍事基地

 スーダンは内陸国であるかのような印象を持たれることがあるが、そうではない。

 紅海に面したポート・スーダンの港湾は、地政学的に見て極めて重要である。まずもって石油パイプラインが敷設されていることで知られる。スーダンや内陸国の南スーダンからの原油は、基本的にポート・スーダンを通過しなければ輸出できない。

 

 現在の南スーダン領に埋蔵されている原油の存在は、首都ハルツームの政権が南部スーダンの独立を認めたくなかった大きな理由だった。南スーダン独立後は、南スーダンがポート・スーダンを通じて原油を輸出するにあたってスーダンに支払うパイプライン使用料が、両国の間の大きな火種となってきた。

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