世界経済に直結する油価はどうなるのか(写真はイメージ)
 

 前編で述べた様々な「地殻変動」の胎動を足元に感じている原油市場は2021年、どのような油価展開を導くことになるのだろうか。

 中長期的なことはさておき、2021年という区切りで考えると、油価に最大の影響を与える要因は、やはり前述したように「新型コロナウイルス」の動静だろう。

 相場には「期待(予想・噂)で買って、事実で売る」という格言がある。

 2020年11月からの油価上昇をもたらした最大の要因は、「コロナワクチン」の開発、供給開始、実用化が見えてきた、近い将来、世界景気は回復し、石油需要も回復するだろう、という「期待」だ。

 確かにワクチンの開発は着々と進んでおり、英国や米国などでは医療従事者や政府要人たち優先で接種が始まった。

 日本でも、厚生労働省が2021年2月下旬から医療従事者への接種を開始すべく、準備作業に入ったと報じられている。

 筆者は個人的に、日本政府が購入契約において「ファイザー」などの海外製薬会社に「製造物責任」を要求しないという報道が気になっている(2020年8月20日『日本経済新聞』電子版「コロナワクチンの賠償、国が責任」)。

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