根っこ、茎っこ、捨てない葉

執筆者:阿川佐和子2021年2月3日
「芹は根っこがおいしいですからねえ」俄然、興味が湧いてきた(写真はイメージです)

 

(12月28日発売の新潮社『波』1月号より転載しています)

 

 担当編集者ヤギから電話があったとき、私はちょうど茹で上がった芹を細かく切っているところだった。

「ごめん、今、芹を切っていて……」

 するとヤギ君が、

「芹? どうやって食べるんですか?」

「ただ湯がいて細かく切って、上から塩をまぶしてアツアツご飯に載せて食べるだけ。でもおいしいぞ。芹の季節になるとウチでは必ず作ります」

 そう答えたらヤギがすかさず、

「旨そうですねえ。芹は根っこがおいしいですからねえ」

「根っこ?」

 今度はこちらが質問する番だ。

「どうやって食べるの?」

「お浸しにして食べるんだけど、めちゃくちゃ旨いっすよ」

「ええええー!?」

 そのとき私はすでに芹の根っこを生ゴミ袋に入れたあとだった。

 今まで私は、香菜の根っこは取っておき、鍋に入れたりスープに入れたり、細かく切って炒め物に混ぜたりしていたが、芹の根っこを調理するという発想はなかった。だからいつもあっさり捨てていた。

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