康京和(左)鄭義溶(右)新旧韓国外相。文在寅大統領は残り少ない任期で、北朝鮮や日米との関係をどう再構築するのか (C)EPA=時事

 

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はバイデン政権がスタートした1月20日、康京和(カン・ギョンファ)外相を更迭し、鄭義溶(チョン・ウィヨン)前青瓦台国家安保室長を後任に起用する人事を発表した。文大統領は、女性で、外交官試験による外務省入りでない康京和外相を評価し、文政権の任期満了まで同伴する閣僚という見方が強かったが、突然の交代だった。これで文政権発足時の閣僚はすべて交代した。

康京和外相を更迭して鄭義溶氏を起用

 また、青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長を更迭し、金炯辰(キム・ヒョンジン)ソウル市国際関係大使を後任に任命した。金炯辰氏は外務省で北米第1課長、駐ベルギー大使などを歴任したが、米国通で知られる外交官だ。

 バイデン政権発足の日に行われたこうした人事は、残り任期1年余りとなった文大統領が最後まで「米朝対話、南北対話」で実績を出したいという強い意志の表れとみられた。

 鄭義溶氏は、もともとは通商問題を専門とする外交官だ。しかし、文政権が発足すると青瓦台の国家安保室長として、徐薫(ソ・フン)国家情報院長(現・国家安保室長)と組み、平昌冬季五輪後の2018年3月には文大統領の特使として訪朝。南北首脳会談の合意を取り付け、すぐに訪米してドナルド・トランプ米大統領(当時)から米朝首脳会談受け入れを取り付けた人物だ。

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