三菱UFJ・住商をターゲットにする“グリーンマフィア”

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執筆者:名古屋和希2021年4月6日
三菱UFJフィナンシャル・グループは石炭産業への積極的な融資が批判された (c)時事

環境団体からの株主提案が存在感を増している。昨年のみずほフィナンシャルグループ株主総会のケースに続き、メガバンクや大手商社に気候変動への取り組みを求める動きが本格化。背景にあるESG(環境・社会・企業統治)重視というマネー市場の変化も見逃せない。

 メガバンクや大手商社に対する環境団体の圧力が増している。環境NGO(非政府組織)などは今年の株主総会に向け、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と住友商事に対し、気候変動に関する事業計画の開示などを求める株主提案を提出した。昨年、国内初となったみずほフィナンシャルグループに続く事例となる。企業側が看過できないのは、この新たな「物言う株主」の影響力だ。みずほでは事前予想をはるかに上回る3割強もの株主が賛成した。今回、この2社がターゲットに選ばれたのはなぜか。

 住友商事に対しては環境NGOのマーケット・フォースが、温暖化防止の国際ルールであるパリ協定に沿った事業計画の開示を要求している。NPO(非営利組織)法人の気候ネットワークと個人株主3人は共同でMUFGに、パリ協定の目標に整合した投資計画の策定と開示を求めている。

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