「待つ」中国と「交渉力」のイラン:「25年包括協力」の真相は?
2021年4月12日

調印後に挨拶を交わすイラン・ザリフ外相と中国・王毅外相(c)EPA=時事
2021年3月27日(土)、イランは中国と「25年包括協力文書」なるものに調印した。
3月24日(水)から約1週間かけて中東6カ国を歴訪中の中国・王毅外相は、サウジアラビア(サウジ)、トルコを訪問した後、イランに入りテヘランでモハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相と会見した。目的は、2016年習近平国家主席が来訪し、アリ・ハメネイ最高指導者と会見した時からの課題である、両国の戦略関係を強化する「25年包括協力文書」の正式調印だった(『フィナンシャル・タイムズ』(FT)2021年3月28日「China and Iran sign 25-year agreement to expand ties」)。
日系メディアの多くは「対米」を意識したものと捉え、見出しに次のような文言を付記している。
『朝日』:「米国牽制の思惑一致」
『読売』:「『対米』の共闘戦略」
『NHK』:「米に対抗の姿勢」
『日経』はより大局的見地から「民主主義陣営に対抗」と付記し、
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