UAEの真似で躓くサウジ「外資導入は前途多難」

国家の意向がブレーキ:「アラムコ経営」「プログラムHQ」

執筆者:岩瀬昇2021年4月17日
経済改革計画「ビジョン2030」の成否はサウジアラムコの収入に大きく左右される(c)EPA=時事

 サウジアラビア(サウジ)国営石油「サウジアラムコ」(アラムコ)が新設した石油パイプライン子会社「Aramco Oil Pipelines」(AOP)の株式49%を売却し、124億ドル(約1兆3400億円)の資金を確保、という『フィナンシャル・タイムズ』(FT)記事(東京時間2021年4月10日午前8時ごろ「Saudi Aramco raises $12.4bn from oil pipeline deal」)を読んで、筆者はなぜかスイス中部のツーク湖を見下ろすレストランで、キルシュというチェリーブランデーを飲んだときのことを思い出していた。

   スッキリとした切れ味の奥に潜むフルーティな豊潤さ。思わず「美味い!」と口に出していた。

   するとランチをホストしてくれた某トレーダーは、帰りがけに1本、お土産に持たせてくれた。いつの間にかお店の人に頼んでおいてくれたようだ。もっとも、ツークはドイツ語圏なので、筆者が聞き取れなかっただけかもしれない。いずれにせよ、これが「接待」の真髄だ、と商社マンながら感じ入った記憶がある。

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