金日成と金正日の巨大な銅像に「拝礼」する北朝鮮の人々 (C)AFP=時事

「党の唯一的領導体系確立の10大原則」(以下「10大原則」)第2条は、北朝鮮が民主国家はもちろん社会主義国家でもない、カルト宗教に基づく国家だということを如実に語っている。

「神」よりも尊く崇高な存在

 2条の条文は次の通りである。

2.偉大なる金日成同志と金正日同志を、わが党と人民の永遠の首領として、主体の太陽として高く仰ぎ奉らなければならない。

偉大なる金日成同志と金正日同志を、我が党と人民の永遠の首領として、主体の太陽として高く仰ぎ奉ることは、首領様の子孫、将軍様の戦士、弟子たちの最も崇高な義務であり、偉大な首領様と将軍様を永遠に高く仰ぎ奉ることによってこそ、金日成民族、金正日朝鮮の無窮の繁栄がある。

 これに続く項目を要約すると、(1)金日成(キム・イルソン)を永遠の首領・主席、(2)金正日(キム・ジョンイル)を永遠の総秘書(総書記)・国防委員長として高く奉り、(3)先代たちの遺体安置所を造営、保衛し、(4)先代たちは永遠にそばにいるという信念をもって、(5)先代たちが残した業績を守り光らせよ――とある。

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