バグラム空軍基地を飛び立つ、米軍のC17大型輸送機。アフガン撤退もこうして行われるのか (C)AFP=時事
 

 米国が「建国史上最長の戦争」であるアフガニスタン戦争から兵力を全面的に撤退させる。9・11で始めたアフガニスタンへの軍事介入はちょうど20年で終わることになる。

 ユーラシア大陸のど真ん中にあるアフガニスタンを米国が放棄することは、どんな波及効果を地域や世界にもたらすだろうか。「空白」を埋めるのはどの国か、アル・カイダ、「イスラム国(IS)」などのテロ組織がテロ攻撃の拠点を構えるのか、そして本当に米国はこの国を放棄するのか、などと浮かぶ疑問に明確な答えはない。唯一言えるのは、米国抜きでのユーラシアの地域秩序づくりが前に進む、ということだろう。

「仮想敵国」への拠点「バグラム空軍基地」を失う意味

「アフガニスタンに駐留する目的はなくなった」――ジョー・バイデン米大統領は4月14日の撤退開始宣言でこう明言した。2011年5月にオサマ・ビンラディンを殺害してアル・カイダ復活の可能性を潰して以来、米軍はアフガニスタン政府テコ入れのために、駐留を続けた。だが、一つ重要なポイントをバイデンは無視している。

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