ワクチンで結ばれた「日米台」の特別な夜

(5月24日午後6時 @東京・白金台)

執筆者:五十嵐文2021年6月11日
夕食会での謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表(右)と米国のヤング駐日臨時代理大使[謝代表のFacebookより] ⓒ時事

 台湾で最も高いビル「台北101」の、巨大なタケノコのような外壁に6月4日夜、白く輝く大きな文字が浮かび上がった。

「台日の絆と感謝」

 あえて日本語を使ったメッセージに加え、「合作対抗疫情」(協力して感染拡大を抑えよう)、「台日友誼長存」(台湾と日本の友情は永久に)などライトアップは計5パターン。日本への感謝の言葉が次々と台北の夜空を明るく照らした。

 この日昼過ぎ、日本政府から無償提供された英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン124万回分が、台湾の桃園国際空港に到着した。台北上空のライトアップと同様に、台湾のSNSは「日本こそ真の友人」といった高揚感あふれる書き込みが続いた。

 日本に続き、米国も動いた。日本のワクチンが到着する直前の米東部時間3日、米ホワイトハウスは、台湾を含む40以上の国や地域にワクチン2500万回分を提供すると発表した。6日には、タミー・ダックワース上院議員らが台湾を訪れ、75万回分の供与を約束した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。