麻生太郎首相が二月二十四日にワシントンで行なわれたオバマ大統領との日米首脳会談後、米外交・安保専門家との昼食会で、世界的な経済危機に絡んで中国牽制論を展開していたことが分かった。「首脳会談を終えた高揚感があった」(同行筋)とはいえ、脱線気味の発言に出席者も驚きを禁じ得なかったという。 首脳会談後、ワシントン市内のホテルに戻った首相を待ちかまえていたのは、ブレジンスキー、スコウクロフト両元大統領補佐官とアーミテージ元国務副長官。重鎮らを前に、首相は経済危機によって中国経済には格差拡大などの「ゆがみが生じている」と英語で長広舌。「中国は内政の問題をマネージメントできるのか」との疑問を呈してみせた。 首相の発言はオバマ氏が日中両国に内需拡大策を求めたことを意識した発言と受け取られているが、日米外交筋は「米国は中国の景気対策はある程度評価しており、実際に内需拡大策に不満を持っているのは日本に対して」と明かす。「首相は日本に課された経済危機克服の責任を理解していないと受け取られかねない」と懸念する。 首相の「嫌中」は今に始まったことではないが、三月下旬には中国訪問も控えており、外務省は「また口がすべらなければいいが……」と戦々恐々。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。