「次の総理候補」にも擬せられている舛添大臣、あなたの改革姿勢はまやかしだ。このままでは、日本社会はずたずたになってしまう。 景気の急激な冷え込みに伴い、全国で失業などによる生活困窮者の生活保護申請が急増している。窓口となる市町村は対応に追われているが、一部では申請をさせず、他の自治体に向かわせる「たらい回し」が多いことも報じられている。「国が推奨してきた『水際作戦』が、失業者の急増で一挙に表面化したのでしょう」 ある大都市の生活保護担当課長はそう漏らす。 本来、「水際作戦」とは軍事用語で、上陸しようとする敵を海岸で撃退する戦術のこと。生活保護制度では、資産も収入もない生活困窮者が保護申請を出せば、生活費を支給することを大原則としている。ここで言う水際作戦は、申請をさせずに窓口から追い返す手法で、明らかな違法行為だ。「水際作戦を始めたのは、生活保護世帯の多かった北九州市だと言われていますが、全国に広めたのは厚生省(当時)。もちろん、文書での指示など証拠になるものは残していません。でも、市町村の担当課長を集めた会議で、厚生省のお偉い方々が北九州市を盛んに礼賛し、視察に行けと勧めていたのは確かです」

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