石川遼が招待されたことで例年以上の注目を集めているゴルフのマスターズ・トーナメントが、四月九日に米ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブで開幕する。 このクラブは未だに女性が会員になることが認められておらず、保守的な団体として知られる。敷地内に大のゴルフ好きだったアイゼンハワー元大統領専用のコテージ「アイクズ・キャビン」があることでも有名だ。 四大大会(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権)の中でも唯一、毎年同じコースで開催されることで独自性を保つマスターズだが、過去十年を振り返ってみるとアメリカのタイガー・ウッズが三回優勝し、ついでフィル・ミケルソンが二回。一方でスペイン、フィジー、カナダ、昨年は南アフリカのトレバー・イメルマンが優勝し、グリーン・ジャケット(マスターズの優勝者に贈られる)を着る選手の多国籍化が進んでいる。 昨年九月のリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した金融危機の影響は、徐々にアメリカのゴルフ界を侵食している。不動産開発を手がけてきたギン・リゾーツがPGAツアー(男子プロゴルフツアー)など、すべてのゴルフ大会から撤退。シニアツアーの「ギン・チャンピオンシップ」一大会だけでも賞金総額は約二億円。撤退により経費削減を図る。

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