関西進出構想は振り出しに戻るが投資としてはOKだった ⓒ時事

 東証一部上場の「関西スーパーマーケット」を買収しようとしていた「OKストア」(オーケー=非上場)の目論見が最高裁で却下された。

 2021年の6月以降、TOB(株式公開買付け)をして関西スーパーを非上場の子会社化する提案をしたオーケーに対し、関西スーパー側は臨時株主総会を開いて、同じ関西圏で小売業を営む「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O)との経営統合を決めた。

 その総会の決定に疑義があったとして法廷闘争に持ち込まれていたのだ。

 この決定で、関西スーパーは胸を張ってH2Oと経営統合することになり、オーケーの脅威は去ったことになる。

 だが、一敗地にまみれたオーケーにも大きな痛手はない。TOBを宣言はしていたものの、関西スーパー側が拒否の姿勢を明らかにした後も、市場で買い増したりはせず、特に資金を投入しなかったからだ。

 逆に最高裁の決定により、これまでに保有していた関西スーパーの231万余りの株を買取請求することが可能となり、買取価格の交渉次第では莫大な利益を生み出すかもしれないのである。

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