*当日の講演内容をもとに編集・再構成を加えてあります。

岩田清文:経済戦争や人質外交への対応も必要になります。

 2010年に、尖閣諸島沖で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりをするという事件が発生しました。この時海上保安庁は船長を逮捕し、那覇地検石垣支部が捜査しました。この時に中国は、船長を早く帰せ、ということで、レアアースの輸出を止めました。

 また建設会社「フジタ」の上海駐在社員を含む4名を拘束。当時の仙谷由人官房長官が脅しに負けて、起訴もせずそのまま帰してしまいました。船長1人でこの状況です。

人質化する大陸の12万5000名

 中国大陸には、約1万63000社の日本企業が進出しており、約12万5000名の邦人がいます。

 中台紛争で日本の防衛も危ない状況になれば、早くこの12万5000名に日本に帰ってきてもらわなければいけない。しかしそのタイミングが大事で、JALとANAが一生懸命動いたとしても、なかなか難しいでしょう。航空自衛隊の輸送機は絶対中国大陸には入れませんから、全員を救えないことになりかねない。人質になってしまうんです。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。