米ワシントンD.C.の連邦最高裁判所の建物の外で、中絶の権利に賛成と反対の抗議をする人々(2021年10月4日)(REUTERS/Leah Millis)

[ワシントン]連邦最高裁判所が2021年12月10日、ほとんどの中絶を禁止するテキサス州法の存続を認める決定を下したことで、このテキサスの新たな手法を真似して、銃規制などに流用しようとする州が出てくるかもしれない。ただし、実際にこうした手段に出る州がどのくらい現れるかはまだ不透明だが。

 共和党が支援するテキサスの州法は、州当局から法執行の権利を奪い、代わって民間人が、胎児の心拍確認(およそ妊娠6週)以降の人工妊娠中絶を行ったり、それを補助した人物を誰であれ訴えたりすることを可能にした。勝訴すれば少なくとも1万ドル(約113万円)を得ることができる。最高裁は10日これに関する判断を下した。

 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は判決の翌日、テキサスと同じような手法で、殺傷力のある銃を製造、流通、売買、あるいは俗に「ゴーストガン(幽霊銃)」と呼ばれる登録のない銃を作った者を民間の個人が訴えて、最低1万ドルを勝ち取れるような法律を作れないか、州議員や州司法長官の協力を得ながら検討するよう自身のスタッフに指示したと語った。

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