昨年12月、アメリカ中西部を襲った竜巻は各地に甚大な被害をもたらした。ケンタッキー州メイフィールドにて(2021年12月12日撮影)(REUTERS/Cheney Orr)

[ロイター] 12月中旬、猛烈な竜巻がアメリカ中西部を襲い100人以上が犠牲となった事態を受けて、警報システムの現状と移動速度の速い嵐の予測がなぜ難しいのかについて注目が集まっている。

 アメリカ海洋大気局によると、竜巻とは、雷を伴う嵐から地面へと伸びる、幅の狭い激しく回転する柱状の空気。年間およそ1200の竜巻がアメリカ全土を襲う。

 何日も前から勢力拡大を観察できるハリケーンと違って、竜巻にとっての好条件が整ったとき一定の地域を警戒する「竜巻ウォッチ」は、わずか4時間から6時間の間の出来事だ。

 通常、ハリケーンには直径何百キロもの大きさがあり、何日も、場合によっては何週間も持続する。科学者たちはハリケーンの進路をだいたい3日から5日前に予測することができる。一方、竜巻はものの数分で形成され、幅は数十メートル、そして数分間しか持続しないことが多い。

 「竜巻ウォッチ」は、竜巻警報と違い、昼夜を問わず州を跨いで全米の気象を観察している気象学者によって、何時間も前に発出されることが多い。その基準は、「竜巻が発生するための条件が整っていること」であって、必ずしも竜巻が発生するとは限らない。

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