パキスタンの軍情報機関の中に、アフガニスタンのイスラム原理主義過激勢力タリバンを密かに支援しているグループが存在している疑いが、ますます濃厚になっている。 米メディアがワシントンの米政府当局者の話として伝えるところによれば、問題のパキスタンの軍情報機関は陸海空三軍統合情報部(ISI)のS班と呼ばれる組織。S班は海外の情報収集作戦を任務としているが、パキスタン国内でもほとんど知られていない。 S班にはイスラム原理主義に理解を示す軍人が多く、その一部がタリバンへの燃料・弾薬など軍事物資の供給や米国およびパキスタン政府の極秘情報の提供を行なっている可能性が強いという。 米国はブッシュ前政権のときも、ISIによるタリバン支援の疑いがあると非難したが、今回は在イスラマバードの米軍情報機関がタリバンとISIとのやり取りを電子機器によって確認したといわれている。 米オバマ政権はパキスタン政府に対し、実態を解明するとともに関係者の処罰を行なうよう求めたもよう。しかし、イスラマバードの消息筋は「パキスタン政府はタリバンとISIの関係について今のところ証拠がないと回答した」と述べている。

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