国際テロ組織アルカエダとソマリアのイスラム原理主義勢力が急接近しているとの情報が、欧州各国の治安当局関係者の間で流れている。 日本の海上自衛隊が海賊対策のためソマリア近海に派遣されたが、現地の原理主義勢力は「シャバブ」あるいは「シャバブ・アルムジャヒディン」などと呼ばれ、ソマリア中・南部で勢力を伸ばしている。思想的に強固な約三百人の中核メンバーを軸に総勢数千人の戦闘員から成る。二〇〇六年ごろから自爆テロ、暗殺などを繰り返し、昨年からは首都モガディシオでもテロ活動を行なうようになったという。 エジプトの在カイロ・フランス大使館筋は「シャバブ内にはいくつかのグループがあるが、異教徒への聖戦『ジハード』を主張している点では同じだ」と語る。 シャバブ幹部の多くはかつてアフガニスタンでアルカエダから軍事訓練を受けており、アルカエダの最高指導者ビンラディンは今年三月以来、インターネットを通じシャバブに「ソマリアの聖域化」を呼び掛けている。 これに対し、シャバブ幹部はビンラディンへの忠誠を表明するとともに、ソマリアでの聖戦に参加するようイスラム教の若者に繰り返しメッセージを流しているという。米国務省は昨年、シャバブを「テロ組織」と認定、警戒を強めている。

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