「レッドライン」越えた金正恩のICBM「正面突破戦略」(上)
2022年4月1日
北朝鮮は3月24日午後2時33分ごろ、平壌の順安飛行場から大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる飛翔体を発射した。日本政府は、この飛翔体は1時間以上飛行し、同3時44分ごろ、北海道・渡島半島の西約150キロにある日本海の排他的経済水域(EEZ)内に落下した、とした。
朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は翌3月25日、1面から4面までを費やし、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「火星砲-17」(以下は「火星17」と表記)型の試験発射の断行を命じ、これに成功したことを28枚の写真を掲載して報じた。金党総書記は命令書に、
「発射実験を承認する。3月24日に発射する。祖国と人民の偉大な尊厳と名誉のために勇敢に撃て」
と書き、発射実験に檄を飛ばした。
同紙によれば、「火星17」は最高高度6248.5キロ、飛距離1090キロを4052秒(1時間7分32秒)飛行したとした。飛距離を抑えるために意図的に発射角度を高くするロフテッド軌道で発射したとみられた。
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